こんにちは切手の買取売却査定ナビです。今回は1929年(昭和4年)から1934年(昭和9年)にかけて発行された日本郵便 芦ノ湖航空切手の価値と相場について記載して行きたいと思います。

芦ノ湖航空切手は大正8年(1919年)の飛行郵便試験記念切手から10年後の航空郵便の制度実施を機会として発行されました。図案は芦ノ湖上空を飛ぶフォッカー7型3M機を描いたデザインとなっており希少価値が高いです。

裏糊:アラビアゴム糊、印面(印刷スペース)の寸法:22.5mm×18.5mm、目打:櫛型13×13.5となっており、発行枚数は8銭5厘:55万枚・9銭5厘:220万枚・16銭5厘が30万枚・18銭が500万枚・33銭が30万枚です(資料によって発行枚数は異なり8銭5厘が42万枚・9銭5厘が92万枚・16銭5厘が81万枚・18銭が774万枚・33銭が301万枚との記載もあります)。

芦ノ湖航空切手8銭5厘の価値と相場

芦ノ湖航空切手8銭5厘芦ノ湖航空切手8銭5厘

1929年10月6日に発行された芦の湖航空切手です。当時(1929年)の8銭5厘(八銭五厘)は郵便料金を航空料金を合算した料金で、日本国内(内地)を結ぶ区間の料金となっていました。

額面は小さいのですがカタログ価格(複数参照)は下記のようになっており希少性は高いです。

未使用 使用済み 未使用 4枚田型 使用済み 4枚田型 100枚シート
1〜1.4万円 0.9〜1万円 5.2万円 4.2万円 160万円

実勢価格(実際に市場で取引される価格)についてはカタログ価格に比べると安価での取引が目立ち、カタログ価格の半値程度が実際の相場です(下記は2016年〜2018年の実際の取引データ)。

切手の詳細 業者所在 取引価格
未使用(状態 極美品) 東京都 6800円
未使用(状態 極美品) 大阪府 5500円
使用済み(状態 美品) 愛知県 2050円
使用済み 4枚田型(状態 美品) 兵庫県 20000円

芦ノ湖航空切手9銭5厘の価値と相場

芦ノ湖航空切手9銭5厘芦ノ湖航空切手9銭5厘

昭和9年3月1日(1934年3月1日)に発行された芦の湖航空切手九銭五厘です。1933年11月1日の料金値上げに伴い発行され、8銭5厘より額面は大きいのですが現存数が多いため価値は低く、カタログ価格は下記の通りとなっております。

未使用 使用済み 未使用 4枚田型 使用済み 4枚田型 100枚シート
0.26〜0.45万円 0.2万円 1.4万円 1.2万円 55万円

みほん切手

希少性が高いのは100枚シートで2014年に約50万円で市場にて取引されたことがあります。また、上記のような「みほん切手」も取引されており、みほん切手はカタログ価格1.7万円に対し、市場にて約9.2万円で取引されたことがあります。

芦ノ湖航空切手16銭5厘の価値と相場

芦ノ湖航空切手16銭5厘芦ノ湖航空切手16銭5厘

1926年10月6日に発行された拾六銭5厘切手です。16.5銭は内地と外地(台湾、朝鮮、満州、大連など)の区間便、2種はがきの料金です。カタログ価格は下記のようになっており、9.5銭と同等レベルの価値となっています。

未使用 使用済み 未使用 4枚田型 使用済み 4枚田型 100枚シート
0.32〜0.44万円 0.35〜0.4万円 1.8万円 2万円 50万円

実勢価格(実際に市場で取引される価格)はカタログ価格の半値程度が相場ですが、100枚シートについては希少性が高いことから、カタログ価格と同等レベルの50.01万円で2014年に市場で取引されています。

切手の詳細 業者所在 取引価格
未使用(状態 極美品) 茨城県 2500円
未使用(状態 極美品−) 東京都 2200円
使用済み(状態 美品) 静岡県 2000円
未使用 銘付6枚ブロック (状態 極美品) 京都府 30000円

芦ノ湖航空切手18銭の価値と相場

芦ノ湖航空切手18銭芦ノ湖航空切手18銭

昭和4年10月6日に発行された芦ノ湖航空切手拾八銭です。18銭は内地相互の区間便の料金で、当時、日本国内の1種書状の郵送に利用されました。カタログ価格は下記のようになっており未使用品は希少性が高いです。

未使用 使用済み 未使用 4枚田型 使用済み 4枚田型 100枚シート
0.4〜0.55万円 0.2万円 2.2万円 1.2万円 65万円

100面シートについては私が知る限り2016年に取引されたことがあり、その時はカタログ価格より安い30万円弱で取引されています。また、一般的に使用済みは未使用に比べ価値が落ちますが、オランダ領スラバヤのパクボー印など珍しい印が押された使用済み切手は価値が高く、市場で0.7万円強で取引されたことがあります。

芦ノ湖航空切手33銭の価値と相場

芦ノ湖航空切手33銭芦ノ湖航空切手33銭

芦ノ湖航空切手三拾三銭です。当時の33銭切手は内地と外地の区間便の料金で、当時、日本国内から朝鮮や台湾への1種書状の郵送に利用されました。残っている未使用切手が少ないのに対し、使用済みは現存数が比較的多いためカタログ価格は下記のよう未使用の方が価値が高くなっています。

未使用 使用済み 未使用 4枚田型 使用済み 4枚田型 100枚シート
0.9〜1.2万円 0.18〜0.2円 4.8万円 1.2万円 140万円

逓信記念日制定記念 小型シートの価値

逓信記念日制定記念逓信記念日制定記念

昭和9年4月20日に逓信記念日を記念して発行された芦ノ湖航空切手4種を組み合わせた日本初の小型シートです。当時、18銭、9.5銭、33銭、16.5銭の合計77銭で販売されたものですが希少価値が高くカタログ価格は下記のように高額です。

未使用 使用済み
23万円 32万円

ただ、実勢価格カタログ価格ほど高くなく、未使用で10万円前後、使用済みで20万円〜25万円前後(印により価値が若干異なる)となっております。今回の記事が切手コレクションや切手の買取査定価格の参考になりましたら幸いです。