こんにちは着物の買取売却査定ナビです。今回は浦野理一の訪問着・付下げの価値と相場について記載して行きたいと思います。浦野理一の作品は人気があり高額で取引されていますが市場に出てくることが少なく稀少性が高いです。

取引価格と取引件数の傾向

取引単価と取引件数の推移

上記は「浦野理一」で検索した「ヤフオク」での実際の「取引価格上位50品の平均価格(左軸)」と「年間取引点数(右軸)」の推移を示したものです。

2011年、2012年は「ヤフオク」での年間取引点数は100点以下でしたが2016年以降は200点以上となり市場が活性化していることが判ります。

また、高額商品の平均取引単価も上昇傾向にあり、以前は4万円前後の取引単価でしたが2016年、2017年は10万円を超える平均取引価格となっており買い取り価格を含め中古品の価格は全般的に上昇している可能性があります。

浦野理一の着物

浦野理一は日本の伝統的な染織品の研究を長年続けられ、それらを復元する際にも、お洒落なものを求められる方のお気持ちに応えるべく、個性的で他に例を見ないタイプの作品を作られました。

それらは40年以上前の「ミセス」などの雑誌の巻頭を飾り、またその当時人気の女優さんたちが映画の中でも身に付けられた事もあり、とても多くのお着物ファンを魅了しました。

浦野理一紫紺色地金彩加工秋草菊すすき縮緬訪問着の価値

訪問着

小津安二郎の映画の衣装担当をし、昭和40年代に一世を風靡した染織研究家浦野理一の訪問着です。凛と高貴な配色に、すっきりとした構図であらわされた秋草の花意匠、浦野理一作品の中でも珍しい、染めのものとなっております。

シックな地色で鬼しぼりのちりめん地に色鮮やかな手描き友禅のきもの。作成された当時、その取り合わせは斬新で日本中のおしゃれな女性の話題になり憧れだったでしょう!

さらりとしたシボ感で織り出された、絹艶麗しいちりめん地。その地を、シックな奥深い紫紺色に染め上げています。そこに表現されたのは、麗しくも気高い表情ただよわせる染めの美匠。メリハリのある色調であらわされた秋草の意匠は、金彩が煌きを添えて萩や女郎花、すすきなどのおだやかで優しい雰囲気の秋の草花たちがたっぷりと、重なり合うように表現されております。

ひと差しひと差しが全て人の手で創作されますので、職人さんの美へのこだわりがダイレクトに感じられ、完成させるのに費やした時間に思いを馳せずにはいられません。

寸法は「身丈(肩から):167cm(4尺4寸2分)裄 :65cm(1尺7寸2分)袖丈:48.5cm(1尺2寸8分)幅:32.5cm(8寸6分)前幅:24cm(6寸4分)後幅:29cm(7寸7分)」となっており、素材は正絹、静岡県の業者によって販売され市場にて36万円で取引されました。

浦野理一 縦節紬 型絵染 若竹文 染織 着物の価値

訪問着

こちらの着物は、浦野理一が大変好まれていた「型絵染」にて若竹を表した作品です。浦野理一の代表作の一つ「縦節紬」をしっとりと落ち着きのある黄土色に染め上げいくえにも重なり生き生きとした若竹を大小とりまぜて鶯茶色で鮮やかに表現されています。

豊かな自然の中から題材を取り入れる事の多い、浦野理一の優れた感性を存分にお楽しみ頂ける、大変に高価な至極の逸品で寸法は「身丈 163cm 裄 67cm 袖丈 49cm 前幅 24.5cm 後幅 29.5cm」、素材は正絹、神奈川県の業者によって販売され市場にて38万円で取引されました。

浦野理一 鼠縮緬地に友禅 付け下げの価値

浦野理一作鼠縮緬地に友禅の付下げです。寸法は「身丈152cm(背の衿下から裾まで) 裄丈64cm 袖丈46cm 前幅28,5cm 後幅30,5cm 袖幅33cm」、素材は正絹、東京都の業者によって販売され市場にて27万円で取引されました。

浦野理一の訪問着・付下げの価値まとめ

いかがだったでしょうか?鎌倉が生んだ、幻の染織研究家とも呼ばれる浦野理一の着物は人気があり中古品だとしても50万円前後で取引されるものも存在します。

最近では外国人バイヤーなどが高額で買う傾向があるため、以前に比べると金額が上昇しているように感じます。今回の記事が着物の買取査定価格の参考になりましたら幸いです。