こんにちは着物の買取売却査定ナビです。今回は沖縄を代表する伝統的な染色技法の一つである紅型の着物の価値と買取相場について記載していきたいと思います。紅型ではアンティーク(骨董)としての価値が高いものも存在し、全てではありませんが、10万円を超える買い取りも期待できます。

紅型とは

紅型

紅型とは「さまざまな色を使った染め」という意味で独特な繊細な色は日差しの強い沖縄の風景のコントラストを表現していると言われています。

言葉の定義をしたのは鎌倉芳太郎と伊波普猷とする説がありますが、書物によると鎌倉芳太郎が1924年に初めて使用したとされています。沖縄県では「びんがた」とひらがな表記する場合が多いのですが本州では紅型と漢字表記することが一般的です。

紅型

紅型の技法

紅型の技法には、一般的な型染め、筒描き、藍染め(漬染め)が存在します。型染めで特徴的なのは型の上から色を挿すのではなく、防染糊を置くことです。特に両面染めの型置きは高度な技とされており、王朝時代の衣装はほとんどが両面染めです。

紅型の着物の買取相場

買取価格の公式

買取価格=実勢価格×仕入掛け率

中古の紅型着物は下記のような実勢価格(市場で取引される値段)となっています。着物を業者に買い取ってもらう場合、実勢価格に「(仕入)掛け率」を掛けたものが査定価格となり掛け率は価値の高い着物ほど高くなります。

一般的に昔の着物や和装小物では卸問屋が何件も間に入って百貨店に陳列されていたため、残念ながら当時の販売価格の5%以下での買取になるものが殆どです。一方、最近の着物や骨董として価値が高いものでは高額査定が期待できます。

名古屋帯

琉球紅型の名古屋帯の価値

「紅型名古屋 城間作 S46年」と書かれた布が縫い付けてあり、現行とは全く違う手仕事の45年ほど前のアンティーク帯です。落款がないため「城間栄喜」氏、「城間栄順」氏、または工房製、どの作品かは判断ができませんが価値が高く2016年に約29万円で取引されています。このような骨董品としての価値が高い着物や和装小物は高額買取が期待できます。

 

琉球紅型の付け下げ

琉球紅型の付け下げの価値

城間栄順の付け下げです。城間栄順氏は先代(十四代)の人間国宝・城間栄喜氏の長男で紅型の名匠として知られています。また、沖縄県指定無形文化財「びん型」を保持しています。画像の品は中古品ですが2018年に30万円で取引されました。同一の品の場合、22〜25万円程度の金額での買取が期待できます。

 

振袖

紅型の振袖の価値

紅型 総絞りの振袖です。柄は霞枝垂れ桜花鳥文、寸法は身丈164.5cm 裄丈64.5cm 袖丈123cm 袖幅34cm 前幅22cm 後幅28.5cmの中古品、2018年に販売され約15万円で取引されました。業者による買取価格は11万円前後が期待できます。

 

お客様1

紅型着物の買取相場まとめ

紅型の着物は「紅型三宗家(城間家・知念家・沢岻家)」の作品を中心に買取価格が高くなっています(「沢岻家」は現在は紅型の制作はしていません)。市場価格(実勢価格)が5万円を超えるような作品の場合、実勢価格の6〜8割程度の金額が査定価格となることが一般的です。今回の記事が着物の売却や査定の参考になりましたら幸いです。